天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「核を使え」

スクリーンに、愛想を振りまくネーナを苦々しく見つめながら、

大統領は言った。

「な!?」

長官は絶句した。

「核の使用を許可する」

大統領は、もう一度言った。

「馬鹿な!?ここは、本国ですよ」

長官の言葉に、大統領はキレた。

「もう…この上のワシントンは、マグマの海だ!誰も、生存者はいない!ここは、結界に護られているから、マグマも入ってこないがな!」

「しかし…放射能が…」

「そんなもの!除去魔法があるだろが!」

大統領は、さらにキレ気味に叫んだ。

もうテンパっている為、正常な判断ができない。

「使うにしても…除去するにしても…莫大なポイントが…」

渋る長官を、大統領は指を差し、

「わが国は、力のアメリカだ!」

核…。人が仕える最高の攻撃魔法であり、

ある意味…自滅魔法。

禁呪であった。

「わかりました…」

長官は大統領に、頭を下げた。

それから、徐に顔を上げると、そこにいるすべての者に告げた。

「オートポイントシステム稼働!式神を人柱にして、核を!ネーナの目の前に、テレポート!と、同時に発動」

「了解しました」

オペレーターが、返事をした。

「女神よ!死ね」

大統領が絶叫した。
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