天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「期待した程、大したことなかったわね」

降下した戦士達の死骸が、転がる。

飛行挺が凍ったまま、摩天楼にくっついていた。


「そうですな」

三日月の旗を掲げた部隊…水の騎士団は、

マリーのそばに跪く。

高層ビルの屋上。

マリーは、大欠伸をした。

ミサイルが数十発直撃した為、少し焦げた毛先に気づき、マリーは顔をしかめた。

マリーのそばに、控える魔神は、2名。


「ポセイドンも終わったようね」

マリーはそう言うと、指をパチンと鳴らした。

その瞬間、すべての氷が溶け、水に戻る。

摩天楼にくっついていた飛行挺が、ゆっくりと落ち、地面で大爆発を起こす。

「お前達は、もう帰っていいわ」

「は!」

2人の魔神は、頭を下げると、そのまま消えた。

「場所を変えましょうか」

高層ビルの間の谷間を、水が流れていく。

凍っていた人々や、物が流れていく。

「A Blow Of Goddess」

女神の一撃。

マリーから放たれた水は、
高層ビルよりも、大きな津波となり、

すべての建造物を崩し、飲み込んでいった。


そして、なにもかもを海へ流していった。

ニューヨークという街ーーそのものを…。

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