天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「やめて下さい!」

レーザー光線が飛びかう中で、1人叫ぶ仁志。

だが、誰も攻撃を止めない。

僕は四方から、攻撃を受け続けた。

「どうした?天空の女神のように、光の屈折を変え、軌道を変えるような芸当は、できないようだな!」

山根は笑った。

無様に、攻撃を受け続ける僕を見て、楽しくてしょうがないようだ。

「このまま…ここで、死んでしまえ!」

はしゃぐ山根。


しかし、山根以外の五人は、一ヶ所に止まらずに攻撃をしながら…焦りを感じていた。

最初当たった時に、血が飛び散っただけで、それからは、一滴も血が出ていないのだ。

そのことに気付いた時…五人は興奮から、焦りへ…やがて、額に汗が流れ…恐怖へと変わってきた。

僕は、口元を緩めた。


やがて、体内に蓄えていた電力がなくなったのか…レーザー光線の掃射は、止まった。

五人は、僕から距離を取って、離れた。

その顔は、青ざめていた。

「馬鹿な…あり得ない!」

山根はさらに前に出て、左手から、レーザー光線を打った。

レーザーは寸分違わず…僕の心臓を貫くはずだった。

しかし、学生服に穴は開くけど…そこから覗かれる素肌は、無傷だった。

最初に貫かれた肩口にも、傷はなかった。

僕は顔を上げ、山根を凝視した。

その赤き瞳の冷たさに、山根は無意識に、後退った。

「これが……不死と言われるバンパイア」


僕の吊り上がった唇の端から、鋭い牙が覗かれた。

「たかが…焼き切るだけの光で…僕を倒せるか…」

僕の手に…いつのまにか、シャイニングソードが握られていた。

「避けるまでもない」

僕は切っ先を、山根に向けた。

「折角…さっき…血を補充したばかりだというのに!」

僕は突きの形で、山根に向かって走る。

「ヒイイ!」

震え上がる山根は、レーザー光線を放ったが…シャイニングソードに弾かれた。







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