天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
おばさんは、ギロッと僕を睨むと、ドアを開け、事務室内に消えた。

僕はドアに向けて、軽く舌を出すと、廊下を歩き出した。

給料は日払いだから、デニムの後ろポケットからだしたカードに、ポイントが加算される。

残高を見て、行きの船代くらいはできたことに気づいた。

だけど…

肝心の僕自身のレベルが…


まだ低い。

カードをポケットに戻すと、僕は…ある場所へと急いだ。

それは、街を少し離れた…草原。

何もなく、見晴らしの良い空間に、

モンスターの姿…距離を確認した。

「スライムか…」

一番近い魔物に、僕は近づく。

「ファイヤー・ロープ!」

離れた位置より、対象物めがけて、炎でできたロープを投げる。

絡みついた相手を、炎で焼き尽くすのだ。

水蒸気が上がり、スライムが消滅する。

(ポイント、ゲット)

3ポイントが加算されるけど…スライムじゃ、レベルは上がらない。

かと言って、これ以上街を離れると、モンスターの強さが半端じゃなくなる。

僕はジレンマの中、頭を抱えた。

その時、

凄まじい地響きが、草原を震わした。

振動は、僕の足も震えさした。

カードが、警告のアラームを鳴らす。

今の僕では、勝てない敵が接近していると。
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