天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
11時37分。


「約束は果たしたわ」

発電所上空に浮かぶリンネは、足下で…沙知絵が撃たれ、息絶えた瞬間、

起爆スイッチを押した。

それは、沙知絵から預かったものだった。

沙知絵は、昨日…この地に来る前に、リンネに渡していた。


「あたしが死んだら…これを押して頂戴」

沙知絵から受け取った起爆装置を、リンネは見つめた。

何の変哲もないマッチ箱のような小さな箱。

「やっぱり…進化って、こういうのと違うのよね。武器を付けるって…」

沙知絵は笑い、

「半径五キロ程なら、すべて爆破できるはずよ」


「どうして…あたしに?」

リンネは、少しおどけて見せる沙知絵にきいた。

「さあねえ〜」

沙知絵は肩をすくめ、

「どうしてかしら?」

笑いかけた。





リンネは、役目を終えた起爆装置を破壊すると、

「さよなら…沙知絵」

空中で、テレポートした。



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