天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
11時38分。


「うぎゃあああ!」

いきなり破裂した左腕の痛みに、山根は絶叫した。

内部に埋め込まれていた金属の破片が、顔や全身に突き刺さっていた。

「何が起こった?何が…」

山根は血まみれになりながらも、状況を判断しょうと、頭を動かした。


「あの女か!あの女……我々の腕に細工をしていやがったな」

山根は怒りで、痛みを忘れた。

「お、おのれ〜」

山根は、原子炉の制御装置に、近づいていく。

画面に映る稼働状況に、不備はない。

「だが…計画は、やめん!」

時間は早いが…山根は暴走させようと、スイッチを押した。


しかし……。

「なっ!」

山根は片手で、何度も何度もスイッチをいれたが、

暴走しない。

「な、なぜだ…」

山根は画面に走る…表示文字を、目を細めて読んだ。

「システムが、遮断されているだと!?」

山根は目を見開きながら、片手で、制御システムのキーボードに指を走らせた。


システムは、原子炉の近くで遮断されていた。

「誰だ…」

山根は身を震わせ、 

「誰だああああ!」

咆哮した。



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