天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
11時38分…同時刻。
いきなりの爆発は、生体兵器を移植していた…数多くの進化した者達の動きを、奪った。
千秋の血のついた腕を舐めていた宮島は、顔半分が吹き飛び…即死した。
奈津美もまた…右腕をなくし、大怪我をしていた。
廊下に転がり、何とか起き上がると、
目の前に、宮島の死体が立ったまま…血を吹き出し、
やがて倒れた。
「ヒイイ」
今まで、何人も人を殺し、慣れていたはずの奈津美は、進化してから…初めて、死に恐怖した。
その時、アナウンスが響き渡った。
「全同士に告げる!原子炉近くにいる裏切り者を、排除せよ!」
それは、山根の声だった。
「い、いやああ…」
右腕をなくし、血まみれになり、破片が足や腹に突き刺さっている状況に気付いた時……奈津美の進化は終わった。
人であった時のように、震え…泣き…恐れる自分と、死という現実の狭間で、ただもがくだけの存在に戻った。
廊下の端で、がたがたと怯える奈津美に、近づく者がいた。
多くの者がパニックになっている中、冷静にリズムを一定に保ちながら、歩いてくる足音の力強さに、
奈津美は顔を上げた。
「助けて…」
涙を流し、懇願する奈津美に、歩いてくる者は足を止めず、ただ微笑んだ。
その瞬間、奈津美の体が発火し…一瞬で燃え尽きた。
「助けてあげる…痛みから、永遠に…」
微笑みながら、廊下を闊歩しているのは、リンネだった。
いきなりの爆発は、生体兵器を移植していた…数多くの進化した者達の動きを、奪った。
千秋の血のついた腕を舐めていた宮島は、顔半分が吹き飛び…即死した。
奈津美もまた…右腕をなくし、大怪我をしていた。
廊下に転がり、何とか起き上がると、
目の前に、宮島の死体が立ったまま…血を吹き出し、
やがて倒れた。
「ヒイイ」
今まで、何人も人を殺し、慣れていたはずの奈津美は、進化してから…初めて、死に恐怖した。
その時、アナウンスが響き渡った。
「全同士に告げる!原子炉近くにいる裏切り者を、排除せよ!」
それは、山根の声だった。
「い、いやああ…」
右腕をなくし、血まみれになり、破片が足や腹に突き刺さっている状況に気付いた時……奈津美の進化は終わった。
人であった時のように、震え…泣き…恐れる自分と、死という現実の狭間で、ただもがくだけの存在に戻った。
廊下の端で、がたがたと怯える奈津美に、近づく者がいた。
多くの者がパニックになっている中、冷静にリズムを一定に保ちながら、歩いてくる足音の力強さに、
奈津美は顔を上げた。
「助けて…」
涙を流し、懇願する奈津美に、歩いてくる者は足を止めず、ただ微笑んだ。
その瞬間、奈津美の体が発火し…一瞬で燃え尽きた。
「助けてあげる…痛みから、永遠に…」
微笑みながら、廊下を闊歩しているのは、リンネだった。