淡々女子高生
始まりらしいけれど、私は知らない。
私には女子高生らしい若さがない。
甘いものより辛いものの方が好きで、肝試しやホラーも怖くない。
小動物を見て「かわいい」とはしゃぐことはなく、少女漫画ではなく新聞の方が好き。
幼い頃から、悪い言い方だと「冷めている子」だと言われ、ましな言い方だと、「冷静だ。大人っぽい」と言われ続けてきた。
昔から私は自分らしく感じ考え行動しているだけなのだけれど、世間はそう表現するようだ。
私の居場所を大まかに分類すると、学校と家になる。
一方の居場所に存在する、同年代の子達を子供っぽいと思わない。
彼らは喜怒哀楽がはっきりしていて、みずみずしい。
私には無いものを持っている。
そのみずみずしさを餓鬼っぽいと思うのは、妬みだと思う。
妬む女は惨め。だから私は彼らを妬まない。

舞台は高等学校。
これは、みずみずしい彼らと、冷めている私の青春。

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