アオゾラデイズ

スポーツ大会が始まってすぐ、
私は仲良しの日向と体育館に来ていた。

春日どこかな....?

「キャァァァァッ!!!!」

耳が壊れるくらいの黄色い声援。
思わずそっちを見る。
するとやっぱり、春日とその友達がいた。

「ほら、早く桜和も行かないと!」

『うん!』

日向に押されて女の子達の群れに
入り込む。
って、ここは押しくら饅頭かっ!
チビな私は群れに入っても春日が
見えない。

もう少しだけ、身長あったらなぁ....

こんな時ほど自分のチビを呪ってしまう。

『諦めるか....』

そう考えて群れから外れようとした瞬間、
コートの方に身体が勢いよく引っ張られた。

『わあっ!?』

「桜和みーっけ♪」

『春日....』

仔犬のような笑顔に思わず笑ってしまう。
春日に抱っこされていると、
周りからブーイングが聞こえてきた。

「なんで橘さんが彼女なのぉ〜?」
「絶対アタシの方がいいのにぃ〜」
「あんなチビ、やめなよぉ〜」

「....んだとゴルァ。」

豹変した春日の一言で
あたりがシーンとなる。
ここが春日のすごいところ。
春日は基本、自分の認めた仲間としか
話したりふざけたりしない。
私に笑顔を見せるのも、
彼女だからこそなんだよね。
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