アオゾラデイズ
〜春日side〜

体育館の中が、妙にざわついている。

うるせぇなぁ....

バスケに集中しようとした時、
いかにもオタクという言葉が似合いそうな
男達が興奮気味に話している事が
耳に入った。

「おい、橘さんが倒れたって。」
「まじかよ!あの胸に触れるチャンスじゃん!

「保健室に運びに行こうぜ!」
「おう!」

....桜和が倒れた?

その会話を聞いた俺は、
男達を殴っていた。

ゴッッ!

「....いってぇ....って如月じゃん!」
「お、俺ら何もしないから!な!?」
「お、おう、しないしない。」

俺を見て慌てたらしく、
走って逃げて行ったが、
そんなことは気にしてられない。

ずかずかと前に進み、
桜和を囲んでいる野郎共を押しのける。

「どけ。」

すると明らかにいつもより
具合が悪そうな桜和が横になっていた。
揺らさないよう、静かに抱き上げて
保健室を目指す。

「桜和....」

いつまでこの小さな命が続くのだろうかと
考えずにはいられなかった。
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