「部活~ウチらバスケ部~番外編」 佐紀、二十歳
祐太が、ニコニコしながら、
「サキ、お前、無茶する奴っちゃなあ。
バカな事しちゃ、ダメじゃん」
「だって………」
「心配するな、俺はコッチで、
元気にしてるから。
もし会いたくなったら、
いつでもここに来いよ。
話し相手くらいは、なってやるから」
佐紀は、この時、
向う側が“あの世”である事を理解した。
「もっとずっと一緒にいたかったのに」
「おっ、スマンな」
祐太は、軽い調子で言った。
「まだ、そっち、行っちゃダメ?」
「ああ、まだやる事、
いっぱいあるだろう?
それが終わったら、来いよ」
「でも私が、お婆ちゃんに
なっていたとしたら?
私が、わからないかもしれないし」
「大丈夫だ。俺がサキを
見分けられない訳、ないだろっ。
きっと、見つけてやるさ」
「うん、ありがとう」
そう言って祐太を見ると、
祐太はずっと、ニコニコしていた。