「部活~ウチらバスケ部~番外編」 佐紀、二十歳
それからも佐紀は、
必死にバスケットに打ち込んだ。
しかし、以前のように、
無茶な事はしないようになっていた。
練習中、矢島キャプテンの、
容赦ない叱責が飛ぶ。
「サキっ、そこ、切れて。
サボってんじゃないよっ」
「はいっ」
「サキっ、セイフティ、遅いっ。
ちゃんと、見てっ」
「はいっ」
コート脇では、
矢島と同期の、萩原と岡井先輩が、
顔を見合わせていた。
「ヤジ、何、切れてんの?」
「あ~あ、あれじゃサキ、
可哀そうだよ」
「一生懸命やってると思うけどね」