「部活~ウチらバスケ部~番外編」 佐紀、二十歳
*** ランニング ***
タッタッタッタ…………
「はっ、はっ、…………はっ、はっ」
タッタッタッタ…………
「はっ、はっ、…………はっ、はっ」
ようやく坂道を、半分くらい上っても、
前を見ると、
まだ少ししか上っていないような、
錯覚にとらわれた。
「はっ、はっ、…………はっ、はっ」
去年の今頃も、
こうして走っていたはずだが
“何回走っても、楽にならないなあ”
そう思いながら佐紀は、再び、
1年生の頃を、思い出していた。