「部活~ウチらバスケ部~番外編」 佐紀、二十歳
秋季選手権が、始まった。
その日は、奇しくも、
佐紀の二十歳の誕生日だった。
試合前にコーチは、
アップをしていたキャプテンを呼び止め、
訊ねた。
「おいっ、サキは、どうだ」
「はいっ、もう大丈夫だと思います。
するべきことも、わかってますし、
ミスもしなくなっています」
「そうか、わかった」
試合開始3分前の、ブザーが鳴った。
皆が、コーチの周りに集まる。
「よーし、初戦、
勢いをつけて行くぞ。
やるべきことは、わかってるな」
「はいっ」
コーチは、佐紀を見て、
「サキっ、スタート、行くぞ」
「はいっ」