「部活~ウチらバスケ部~番外編」 佐紀、二十歳
佐紀は、一番で、体育館に帰って来た。
体育館に上がり、
バッシュに履き替えていると、
次々と、皆が、帰って来た。
バッシュを履くと、佐紀は、
シュート練習を始めた。
最後の人が帰って来るまでは、
自由練習である。
そして、ラストはいつも、
センターの、萩原先輩だった。
“やっぱ、センターは、
長距離、苦手なのかな”
と、また友理を思い出し、微笑んだ。
萩原先輩が、帰って来た。
先輩は、ゆっくりと、
バッシュに履き替えていた。
この後すぐ、練習が始まるから、
少しでも、休憩を取っておこうと、
考えているのだった。
しかしキャプテンは、それを待たずに、
「さあ、練習、始めるよ」
と、容赦なく声をかけた。
萩原先輩は、あわててバッシュの紐を
締め始めた。
フット・ワークが、始まった。