「部活~ウチらバスケ部~番外編」 佐紀、二十歳
*** 下宿 ***
ベッドに突っ伏していた佐紀は、
次々と頭に浮かぶ映像を、
なんとなく、ボー~っと、眺めていた。
体の節々がダルく、
動くのも、億劫だった。
“しかし、今日はキツかったな。
キャプテン、どうしたんだろう?
もしかして彼氏に………
………………”
佐紀の部屋の前に、伯母さんが、
お盆を持って現れた。
「サキちゃん。
ロール・ケーキ買ってきたけど、
食べる?」
しかし、返事は無かった。
「サキちゃん、入るわよ」
伯母さんが部屋に入ると、佐紀は、
ベッドに突っ伏したまま、眠っていた。
「あらあら、こんな格好で寝たら、
風邪、引くわよ。
サキちゃん、サキちゃん?」
伯母さんが、肩を揺すっても、
佐紀は、起きなかった。
「もう~、こんな、んっ、
格好で、んっしょ、寝たら、
風邪ひくん、よいしょっ、
だから」
伯母さんは、佐紀をキチンと寝かせ、
布団を掛けてやった。
「じゃあこれは、明日にしましょうね」
そう言って、伯母さんは、またお盆持って、
部屋を出て行き、静かにドアを閉めた。