「部活~ウチらバスケ部~番外編」 佐紀、二十歳
「それと、私も、サキだよ。
清水佐紀、ヨロシクっ」
「そうなんだぁ。
じゃあ、サキ同士、仲良くしよっ」
「うん、でも、同じサキじゃあ、
ややこしいよね」
「サキって、何気に、いるのよね。
私、みんなから、ナッキーって
呼ばれてるから、そう呼んで。
あなたは、サキでいいよね」
「うん、私、
サキとかシミサキちゃんって
呼ばれてるから、それでいい」
大教室は主に、一般教養に使われていて、
いろんな学部の人間が、
一緒に授業を受ける
そして、専門課程の授業は、
高校と同じくらいの教室で、受けた。
その大教室で、たまたま、隣に来たのが、
同じクラスの、ナッキーだった。
ナッキーは、佐紀と気が合ったのか、
それからは、いつも佐紀の横に座った。
人見知りの佐紀にとっては、
嬉しい限りだった。
二人はいつも、前列の端に、座っていた。
大学では、席は決まっていない事が多い。
だから、席は後ろから埋まって行く。
そこで、最前列なら、いつでも空いていて、
二人並んで座ることが出来たのだった。