「部活~ウチらバスケ部~番外編」 佐紀、二十歳
二人が、学食から出ようとすると、
入れ替わりに、一人の少女が入って来た。
その後ろから、
マイクを持ったキャスター風の女の人と、
カメラ、照明を持った人、数人が、
入って来た。
佐紀は振り返り、その一団を見て、
「何? 何かの取材?」
「そうだね」
ナッキーは、冷ややかに言った。
「あのカワイイ子、誰?」
「ドクモの、アイリ」
「ドクモって、何?
毒蜘蛛のなんか?」
「サキ、ドクモ、知らないの?
読者モデルだよ」
「へぇ~、そうなんだ」
「もぅ~、サキぃ。
アンタ、本当に、バスケバカだね。
そんなことしてたら、
世間に、取り残されるよ」
「彼女、何で、こんな処に?」
「えっ、サキ、知らないの?
あの子、ウチの学生だよ」
「へぇ~、そうなんだ」
「しかも、タメ」
「へぇ~、そうなんだ」
「へぇ、へぇ~って、
アンタは“へぇへぇ教”の信者かっ
サキ、ホント、
なにも、知らないんだね」
「ウン、でも、
ナッキーがいるから大丈夫。
頼りにしてるよ」
そう言われて、ナッキーは、
悪い気持ちはしなかった。