「部活~ウチらバスケ部~番外編」 佐紀、二十歳
佐紀がバスケット部に入って最初の大会、
春季大会は、3回戦で終わり、
目標のベスト8には、
あと一つ届かなかった。
勝ち進めば、ゴールデンウィークが、
全て潰れてしまっていたのだけど、
負けてしまったので、2日間の休みが、
与えられた。
佐紀が、祐太に電話すると、
祐太のチームも敗れていて、
オフになっていた。
「もしもし、祐太。
私、休み取れたんだけど、
会えない?」
「うん、俺も明日からオフだから、
いいよ」
「じゃあ、どこにしようか」
「お前、どこかいいトコ、知らないか」
「うーん、じゃあ、
ちょうど真ん中らへんに、
湖畔の公園があるから、
そこにしよっか」
「なんだ、調べてるじゃんか」
「へへっ、何時?」
「お前に任せるよ」
「じゃあ、9時」
「9時? ちょっと早いなぁ。
もう少し、寝させてくれよ」
「任せるって、言ったじゃないの。
じゃあ、10時」
「うん、わかった」
「じゃあ、10時。
寝坊しないでよ」
「わかった、努力するよ」