「部活~ウチらバスケ部~番外編」 佐紀、二十歳
ナッキーは佐紀にとっての、
外への窓だった。
ナッキーは、佐紀の部活が休みの時は、
積極的に佐紀を、引っ張り出した。
佐紀は、
ナッキーの友達に混ぜてもらって、
いろんな所へ、連れて行ってもらった。
ナッキーの情報網は広く、
今流行っている事は、
ほとんど知っていた。
それによって佐紀も、“青春の謳歌”を
少しだけ、味あわせてもらっていた。
ナッキーは、何とか佐紀の失恋の痛手を、
癒そうとしていた。
そこでナッキーは、佐紀を強引に、
合コンに引っ張り出した。
「さあ、今日は、
イッパイ楽しむぞ~」
ナッキーがそう言って、乾杯の後、
合コンが始まった。
しかし、引っ込み思案な佐紀は、
もう只々、話を聞いているだけだった。
終わった後、ナッキーが、
「あの子、サキの事、
いいって言ってたよ」
と、言ってきたが、
佐紀は、丁寧に“お断り”した。
ナッキーは、残念そうな目をして、
佐紀を見た。