「部活~ウチらバスケ部~番外編」 佐紀、二十歳
佐紀は、下宿のベッドに横になって、
天井を見ていた。
一人でいると、楽しい事など、
なかなか浮かんでこない。
“俺たち、もう、終りにしないか”
祐太の言葉が、頭に蘇る。
そして、その言葉が、頭の中を駆け巡る。
この、突然の別れの言葉に、
かなりのショックを受けたが、
不思議と、涙は出なかった。
“他に好きな人が出来た”と
言われたのなら
諦めなければならないのだろうが、
“バスケに専念する”と言われてでは、
諦め切れるものではなかった。
“まっ、いっかぁ
時間は、十分にあるし”
祐太とのことは、一旦、保留にして、
その時がくれは、また考えようと思った。
“可能性は、ゼロではない。
時間は、十分にある”
佐紀は、嫌われたんじゃないという事を
心の拠り所に、望みをつないでいた。
“時間は、十分にある”
そう思いながら、眠りについた。