「部活~ウチらバスケ部~番外編」 佐紀、二十歳
佐紀が席に帰って来ると、
“団子屋のコウジ”は、
アイリは無理と思ったのか、
バスケで話が合うから、
組みやすしと踏んだのか、佐紀に、
盛んにモーションをかけてきた。
そして、また、自慢話が始まった。
まあ、佐紀も、人の事は言えない。
この男の話なんか、
一つも覚えていなかったのだから。
ナッキーが、
「話は尽きないと思いますが、
この辺で、
お開きにしたいと思います。
ここから先は、各自、
自由行動です。
お疲れさんでしたぁ」
と、閉会を告げた。
佐紀は、
ようやくこの男から解放されるのかと、
ホッとした。
まだ話し足りないような顔をしている
男を後目に、
佐紀は、さっさと会場を、出て行った。
それに、男には、妙な下心が、
透けて見えていて、
関わり合いになると、面倒臭い事になると、
思ったからである。