「部活~ウチらバスケ部~番外編」 佐紀、二十歳
佐紀は、下宿に帰って来た。
“はあ~、今日はまずまず、
楽しかったな”
と、今日の余韻に浸りながら、
寝る支度を整え、ベッドに横になった。
しかし、一人になると、
やはり、祐太のことが、思い出される。
そして、思い出すたび、
後悔の念に、苛まれた。
なぜあの時、何も言わなかったんだろう。
なぜあの時、強く出られなかったんだろう
すねて見せれば、よかったのかな。
そんな事ばかり、浮かんでくる。
でも、祐太の意志も、尊重したかったし。
それに、“あまりしつこいと、
嫌われてしまうかも”ともいう気持ちも
あった。
“大丈夫だ。
時間は、十分にある”
そう何度も、自分に言い聞かせていた。
“時間は、十分にある”
そう思いながら、眠りについた。
そしてまた、日常が、始まった。