「部活~ウチらバスケ部~番外編」 佐紀、二十歳
テレビでは、天気予報をやっていた。
「点けたけど、何?」
「あ~、もう、終わったじゃん。
サキが、早く、返事しないから」
「だから、何?」
すると梨沙の声は、再び、
速く、カン高くなった。
「今、事故のニュースで、
“死亡、平岡祐太”って、
出てたじゃん。
もう、びっくりして。
もしかしてこれ、祐太じゃないかと」
それを聞いた佐紀の頭は、
一瞬にして、真っ白になった。
「まさかぁ~」
そう言う佐紀の声は、か細く、
消え入りそうだった。
「ウソじゃないよ。
ちょっと、祐太に電話して、
確かめてよ」
「うん、わかった」
佐紀は、冷静に答えた。