「部活~ウチらバスケ部~番外編」 佐紀、二十歳
佐紀は、半信半疑だった。
そんな事、あるはずがないと思っていた。
佐紀は、祐太の携帯に、電話をかけた。
呼び出し音を数える、佐紀。
“祐太、早く電話に出て。
笑って、そんな事無いよって言って”
呼び出し音の数が増えるほどに、
不安が、大きくなって行く。
すると、呼び出し音が、止まった。
「もしもし」
“あ~、よかった”
「もしもし、祐太?
あのね……」
「どちら様でしょうか」
佐紀は、今初めて、
この声が祐太でないと、わかった。
「えっ、あっ、あの、
祐太…、平岡君の友達ですけど、
あなたは?」
「私は、病院の者ですけど」
「で、平岡君は? 祐太は?」