公認ストーカー
寝室のベッドに案内してここで寝るように言うと、いつもの様に申し訳ない顔をして俺を見つめる。
だから、今はその顔がヤバいんだって。
自分の気持ちをぐっと抑え、踵を返して部屋を出ようとしたら歩みが止まった。
なんと、園子が俺の服の裾を引っ張ってるじゃないか。
「何してんだよ、お前」
「…あの、やはりここに私が寝るのは申し訳ないです」
「俺がいいって言ってんだから気にすんなって」
「やっぱり、竜くんが寝て下さい」
「いいか?だから、おれは向こうで…」
「じゃあ、一緒に寝ましょう!」
「はぁ!?」
目をキラキラさせながら園子は、こんなに広いベッドだから2人で寝れますよって語り始める。
こいつ、俺を男だと思ってねーのか?
それとも、素知らぬ顔をして誘ってるとか!?
まさかな。
あまりの無邪気さに、これ以上抵抗してもラチが明かないので言う通りに従うことにした。