公認ストーカー
『うわわっ!』
大きな叫び声で目が覚めた。
いったい、何事だよ…。
眠い目をこすりようやく目を開けば、園子はすでに起き上がっていて、毛布で自分の体を包み込むようにして座りこんでいる。
「…ったく、朝からなんだよ」
「…な、なんでこんなに、側にいるんですかっ!? も、もしかして、何かしましたか?」
ははーん。
コイツはもしかして、自分が寝てる間に襲われたとでも思っているのか?
襲いたいとしても、気持ち良く熟睡してるヤツを襲ったりしねぇよ。
「だとしたら、どうすんだよ」
「あ、あ、ありえません!竜くんとそんな事はダメなんです」
「なにがダメなんだよ」
少し怒りを含んだ俺の声に、園子が怯んで小声で応える。
「…竜くんは、美術品と同じで見ていられるだけで十分な存在なんです。触れるなんてとんでもありません」