公認ストーカー
はぁ!?なんだよそれ。
また自分ルールを持ち出すのか?
それに美術品と同じって俺は飾り物かよ。
その間にも園子はベッドからそろりと降りて
逃げ腰だ。
「あー!ったく、ムカつく。ちょっとこっち来い!」
俺はもう力任せに園子を引き寄せ押し倒すと
素早く唇を塞いだ。
長く、深く、絡ませる。
唇が離れた時の園子の顔は、それこそ真っ赤で
俺の気持ちを煽るには十分だ。
「いいか?男と女は触れ合ってなんぼなんだよ。気持ち良かっただろ?これでも俺とはダメなのかよ」
「…だって、ストーカーしてる私にはこんな事する資格ないもの」
あっという間に瞳には涙が充満する。その涙を親指でそっと拭ってやった。
「もうお前はストーカーじゃねぇよ」
「えっ!?」
「もうお前は俺の女。それならいいだろ?」
「…でも、そんな」
「俺はお前が好き。そしてお前も俺が好き。それでいいんじゃね?」
「…はい…嬉しいです」
園子が頬を染め嬉しそうに俺を見つめるから、俺は上機嫌でまたキスをする。
結局、俺は園子の一途さにとっくに負けていたにも関わらず、自分の気持ちに気づくのが遅かっただけなのかもしれない。
ストーカーから恋人への昇格。
こんな恋があってもいいんじゃねぇの?
FIN
(さて、もう一回寝ようぜ)
(バイト遅れます)
(いいから、休んじまえよ)
(ひゃっ、なにするんですか)
(イイこと)