ランニングコース 〜君の愛のこもったLoveLetter〜1
彼は少し困っている。

ココは書いてもらうのが一番だよね?

「…ちょっと待ってて」

あたしはメモ帳とサインペンを持って、外に出た。

「はい」

彼にメモ帳とサインペンを差し出す。

…やっぱり優しい顔立ち。

またこんなに近くで見れるとは思わなかった。

「え?」

「だって…名前教えてくれるんでしょ?」

あたしが笑って言うと、彼ははにかむ。

そしてメモ帳とサインペンを受け取り、文字を書き出した。

寒さで手がかじかんでるのか、余り動かないらしい。

文字に奮闘している彼を見て、心で笑う。

だって…失礼でしょ?笑

彼はあたしにメモ帳とサインペンを返す。

「鈴森…汰架矢。珍しいね」

あたしはメモ帳に【橘冬架】と書いて、メモ帳を切り取る。

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