ランニングコース 〜君の愛のこもったLoveLetter〜1
可愛い…ってか、図星!
「…」
はい、そうです。
なんて言えないし…。
押し黙る俺に、女の子は微笑んだ。
「…家はどちらですか?」
「…西大沢の5丁目」
「えっと…ココは東大沢4丁目なんです」
「そ、そうなの?」
女の子は楽しそうに頷く。
「なので…この上り坂を越えれば中央大沢地区のバスターミナルに着くと思います。それで反対車線はもう西大沢5丁目です」
「そ、そっか…!ありがとう。…君の家は?」
「あ、あたしですか?あたしはすぐそこの白い家です」
女の子は続けて、
「気を付けてね、ランニング頑張って下さい」
そう言って微笑んで自分の家の方に歩いていく。
名札は…一年生だったな。
俺は女の子の言った通りに坂道を超える。