レモンケーキ



「大空、入っていい?」



扉越しに言えばうん、と返ってきた




静かに入れば大空は読書中だった。


私が部屋に入れば読書をやめてこっちを向いた。



「レモンケーキ、持ってきたよ。陽子さんが切ってくれてる」



「明希さんの焼いたケーキは魔法がかかったように美味しいよね。」


明希さん、とは私のお母さんだ。


「今読んでたの、魔法の本でしょ」


「ばれたか」



大空といるときのこの緩い空間が好きだ


何気ない会話だけで赤面しそうになる…


< 4 / 11 >

この作品をシェア

pagetop