ノラ猫
「じゃあ、おとなしくしとけよ」
あれから、どれくらいの時間が経ったのか分からない。
悪夢の時間はようやく終わった。
窓の外はいつの間にか闇となっていて
にいさんは男たちを連れて部屋を出て行った。
残されたのは、ひどく汚された一糸まとわぬあたしの体と
ボロボロに引き裂かれた服と、乱れたベッド。
終わった……。
ほら、大丈夫だった。
悲しくなんかない。
辛くなんかない。
こんな行為、もう慣れっこだ。
ノラ猫人生を送っていた期間だって、散々自分から男たちと性行為をしてきたじゃないか。
セックスなんて
ただのじゃれ合い。
大丈夫。
だいじょう……
「……っ…」
必死に言い聞かそうとしているのに
瞼からは、熱い涙が勝手に零れ落ちた。