ノラ猫
あたしの本音……。
本当は離れたいんじゃない。
独りで生きたいんじゃない。
本当は……
「………傍に……いたいっ……。
智紀の傍にいたいよっ……」
本当はずっと
智紀のもとへ戻りたかったんだ。
感情を消すことなんて、出来ないって分かってた。
だけど必死に押し殺して、何も感じてないふりをした。
自分が智紀のもとへ戻るなんて、許されないと思っていたから……。
だけどね。
本当は……本当はずっと……
「智紀の隣で……幸せの意味を知りたいっ」
ノラ猫だって
本当は幸せになりたいんだ。