ノラ猫
12章 最後の戦い
「でっけぇ家だな……」
俺は一人、神楽坂の家の前に来ていた。
凛と一緒に戦うと決めてから一週間。
仕事の合間に集めた情報や写真。
そして、編集者である雄介にも協力してもらって、一枚のスクープ記事を書いてもらった。
一週間、苦痛ではあるけど、凛は一歩も外に出さなかった。
凛自身、外に出ないことは平気だと言っているけど、俺がこれ以上そんな生活をさせたくない。
凛は本来、もっと自由に生きるべきなんだと……。
感情を一度捨ててしまったからこそ、たくさんの刺激を与えないといけない。
だからもう、こんな生活終わりにさせてやる。
世間では休日。
果たして、凛の義父にあたる神楽坂の社長は家にいるだろうか……。
いなかったとしても、帰ってくるまでここに居座るまでだ。
今日は神楽坂に会えるまで帰らないと決心し、その大きな門のチャイムを鳴らした。
《はい》
「横川というものです。
凛さんについてお話したいことがあるので、社長さんいらっしゃいますか」
《……少々お待ちください》
最初から用件を相手に伝えると、真っ向から切られることはなかった。
この家は、凛を探したいたときにも来たことのある家である。
その時は、この家には凛という人はいないと、すぐに切られてしまった。
だけど凛が家から逃げ出した今、
状況が変わったのだろう。