ノラ猫
「ついに一か月きったか……」
ぽつりと漏れた心の声。
まさか自分が、こんなにも早く結婚するなんて思ってもなかった。
むしろ一生結婚なんかしないとすら思ってたからな。
だけど凛と出逢って
初めて心から守りたいと思える女の子が現れて……。
いつしか早く、自分だけのものにしたいと思った。
いよいよその生活がスタートする。
凛に幸せをいっぱい与えてあげられる。
俺が必ず幸せに……。
「……やっと……見つけた……」
突然立ちはだかった一つの影。
立ち止まった先にいたそれは……
「……神楽坂……悟……」
凛の義兄だった。