ノラ猫
 
仲良く寄り添い
幸せをかみしめた表情……。


俺の表情も、自分が知らないくらい幸せそうで……。


「……んで…だよっ……」


悔しくて、涙が次々と零れ落ちた。


どうして俺は、凛を忘れちまったの?
どうしてこんなに、幸せな自分をなくした?

この写真の中の俺は
こんなにも幸せで溢れているのに……。



どうしてよりにもよって
凛という女の子を消してしまったんだろう……。



「………凛…」



初めて
心から彼女の名前を呼んだ。


その名前は、しっくりくるほど抵抗なんか何もなくて……



ああ、俺は確かに
彼女を愛してた。



「………くそっ……」



気が付けば俺は、
凛との思い出で溢れた部屋を飛び出していた。
  
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