ノラ猫
 
凛、どこにいるっ?
どこに行けば会えるっ!?


記憶とか、
覚えてないとか、

気づけばそんなこと、どうでもよくなっていて……


「凛っ……」


無我夢中で、凛を探し回っている自分がいた。


会ったら、なんて声をかけるんだ?
思い出してもないのに、戻ってこいなんて残酷な言葉をかけるの?


だけど今は、そんなこと、どうでもいい。


とにかく早く、凛を見つけださないと……!!



「っ!?

 ………凛っ!!」



そしてがむしゃらに探し回った先に
ようやく一人の女の子の姿を見つけた……。


「凛!!」


まだ振り返らない彼女の名前をもう一度呼ぶ。
それに気づいて、彼女はゆっくりと振り返った。



「……」

「―――ッ」



彼女の瞳を見て、強い衝撃が俺の胸を襲って……。


そこには
何も映していない感情のない瞳が二つあった。
 
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