ノラ猫
 
「ここでいっか」


お昼を過ぎたくらい。

たどりついたのは、一つの公園だった。


午前中はカフェで一息ついていたけど、いつまでも入り浸るわけにもいかないのでひとまず外へは出た。


手持ち金は一応数万ある。
いわゆる、援交をしてもらったお金。

汚いお金だと分かっていても、生きるためには仕方なかった。


ベンチに座って、空を見上げると、今日は雲ひとつない青空だった。

目を閉じれば、鳥のさえずりが聞こえ、飛行機が通る音も聞こえる。


遠く向こうには、子どもがはしゃいでいる声も聞こえて
自分の耳に入ってくる音は、全てが綺麗な音に聞こえた。


汚れているのは自分だけ。

ここに存在することすら、許されないような嫌悪すらはしる。



このまま、消えてなくなりたい……。



そう思ったのは、これで何回目だろうか……。
 
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