ノラ猫
ドォーン!という大きな音。
体中に響く振動。
痛いとか、感じる余裕がないほど、大きな衝撃が襲って、そのまま意識を失った。
《ぁ……》
《気が付いたのね!先生!凛ちゃんが……!!》
次に目を覚ましたのは、薬品の匂いが漂う、真っ白な病室だった。
自分の身に何が起きたのか理解できず、
体中に感じる痛み。
頭も朦朧として、よく分からない現実。
そしてゆっくりと聞かされた。
《凛ちゃん、落ち着いて聞いてほしい。
凛ちゃんは1週間前に交通事故にあって………君のご両親は……》
先生から聞かされた、信じられない事実。
信号無視をしたトラックの追突。
襲い掛かってきた逃れられない衝撃。
そして……
《………う、そだーーーっ!!》
お父さんとお母さんは、もう帰らぬ人となっていた。