ノラ猫
高校に上がったころだった。
エスカレーター式の高校。
問題を起こさなければ、中学から大学までそのまま進める。
神楽坂の養子になった以上、あたしもその学校に通わされていて、義兄の通う高校に入学した。
悪夢はいまだに続いている。
それどころか、どんどんとエスカレートしていき……
《りーんちゃん!》
見知らぬ男子生徒に声をかけられるようにもなった。
意味が分からず彼らを見上げていると、掲げられたのは自分の淫らな写真。
《夜な夜な悟の相手してるんだって?
俺らも相手してくれる?》
《嫌ぁっ……!!》
最悪にも、義兄はあたしの写真を利用して、汚いことにまで手をまわしていた。
《凛ちゃん、可愛いねー》
《もっと嫌がる顔見せてよ》
《っ……》
名前を知らない男たちに犯される姿を
面白そうに見下ろす義兄。
悪魔だ。
この男は人の姿をした悪魔。
もう息をするのすら、辛くなった。