うそつきは恋のはじまり
「……けどさすがに、さっきのはびっくりした。七恵、男と帰ってくるんだもん」
「ヤキモチ、妬いた?」
「……俺も、余裕なんてないからね」
ぼそ、と小さく呟くとはずかしそうに、悔しそうに頭をかく。そんな彼が可愛くて、やっぱり好きだって思う。
幸せで、不安にもなって、悩んたり落ち込んだり、恋する日々。だけどそれはいつだって、私たちにとって大切な日々。
いつだって、いつだって。
「じゃあ、今夜はふたりでクリスマス延長しようか」
「うんっ、今からコンビニでケーキ買って……あっ、シャンパンも買おう!」
「俺未成年だし、七恵は飲みすぎだし」
笑顔で、手と手をつないで。