うそつきは恋のはじまり
……どう、しよう。
ちょっと話しただけで惚れるなんて、そんな子供みたいなことないって言ったのに。
『若者と恋してるより、将来のための結婚相手探さないと。完全に行き遅れちゃう』
莉緒にも、そう言われたのに。
言葉とは裏腹に、心は揺れて、高鳴って、新たな気持ちを生み出す。
きっと、私は彼に恋をしてしまったんだと思う。
気になり始めていた心は、この瞬間落ちてしまった。それはきっと、止まらない。
向き合わなきゃいけない現実と、ついている嘘。それらを全て抱え込んだまま。