うそつきは恋のはじまり
「18歳とって……なにそれ、正気?夢とかじゃなくて?」
「夢じゃないよ!彼からチューして、告白されて……私のことが好きだったんだって!やだ、恥ずかしい!」
きゃっきゃとはしゃぐ私を置き去りにエレベーターに乗り込む二人に、慌てて追いかけけるように私もエレベーターへ乗る。
「へー……そりゃあ信じ難いけど、まぁ付き合えたならよかったな」
「ですよね!やっぱり人間、年齢じゃなくて中身ですよ!幸せです!」
「そうかー、でもその男も30歳相手でも大丈夫だったんだな。よかったじゃん」
のぼっていくエレベーターの中、北見さんの一言にギクッとはねた心臓。
「……そ、れが、その……」
「ん?どうしたの?……あれ、七恵まさか」
「……言ってない、とか?」
「え、えへ?」
苦笑いで誤魔化す私に、ふたりは心底呆れたように『ありえない』とひきつった顔でこちらを見た。
「うわ、最低……若者騙して付き合うとかありえない」
「だって言えなかったんだもん!彼方くん嘘嫌いなんだって!知られたらふられちゃうもん!!」
「自業自得でしょ」
そ、そんなぁ……。
容赦無くバッサリと言われるのは目に見えていたものの、実際言われたら言われたでがっくりと肩を落とす。