うそつきは恋のはじまり



「え?見たい?莉緒、彼方くんのこと見たいの?仕方ないなぁ〜じゃあ紹介してあげるね!あっ、北見さんも見たい?仕方ないなぁ〜」

「……本当、調子に乗ったときの七恵のテンションってウザいわよねぇ」

「ていうか俺はなにも言ってないけど……」



やっぱり見せたい!彼方くんを『彼氏です』って紹介したい!

恥ずかしいような嬉しいような気もするけど……やっぱり浮かれた気持ちには勝てない。



「うふふ」と堪えきれずもれる笑いに、スキップのような足取りで私はフロアへと入って行った。






彼方くんと付き合ってから、毎日が楽しい。

少しのメールでこんなにも気持ちが上がって、いつも通りの仕事すらもやりがいがでる。



嘘を重ねることに心苦しくなることも、そりゃああるけど……でも、得る幸せはそれ以上のもの。

毎日がキラキラと、輝くんだ。





< 61 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop