うそつきは恋のはじまり
「え?見たい?莉緒、彼方くんのこと見たいの?仕方ないなぁ〜じゃあ紹介してあげるね!あっ、北見さんも見たい?仕方ないなぁ〜」
「……本当、調子に乗ったときの七恵のテンションってウザいわよねぇ」
「ていうか俺はなにも言ってないけど……」
やっぱり見せたい!彼方くんを『彼氏です』って紹介したい!
恥ずかしいような嬉しいような気もするけど……やっぱり浮かれた気持ちには勝てない。
「うふふ」と堪えきれずもれる笑いに、スキップのような足取りで私はフロアへと入って行った。
彼方くんと付き合ってから、毎日が楽しい。
少しのメールでこんなにも気持ちが上がって、いつも通りの仕事すらもやりがいがでる。
嘘を重ねることに心苦しくなることも、そりゃああるけど……でも、得る幸せはそれ以上のもの。
毎日がキラキラと、輝くんだ。