重なり合う、ふたつの傷


電車内は混雑していたけど、次の駅でちょうど席がひとつ空いて、お兄さんは私を座らせてくれた。


「ライブ、ってお客さんも結構体力使うから、座った方がいいよ」


「すみません。そうだ、服装」


私は自分がジーンズにTシャツ姿だという事に今になって気づいた。


「いや、大丈夫だよ。僕も似たような格好だし。ドレスとかスーツじゃなきゃダメなパーティじゃないから」


それを聞いて安心した。


品川で東海道線に乗り換え、川崎駅へ。


浴衣を買ったショッピングモールの横を通り過ぎた。




< 184 / 209 >

この作品をシェア

pagetop