Little Love



「…叉牙くん、だめ…はなして…」


要ちゃんが戻ってくるかもしれない。

要ちゃんはきっと、叉牙くんのことが好きだから…。

――でも、ごめんなさい…。

あたしには、1人で背負うには…重すぎた。

この不安を消すために…叉牙くんの手を、とってしまった。

惟月に正直に話せば良かった。

要ちゃんが、早く戻ってくれば…。

叉牙くんが、こんなにも優しくなかったら…。

あたしがもっと、いい子なら…。

こんな選択は、しなくても良かったのかもしれない。







「ごめん美月!結構混んでて…」

「気にしないで?」

「でも…篝に変なことされてないよねっ?!」


そう、睨む要ちゃん。

それを叉牙くんは、軽々とかわす。

でもあたしも、ちゃんと言ってあげなきゃ。


「大丈夫だよ、要ちゃん。
 何もなかったから…ね」

「そーそー」

「ならいいけど〜?」


ゴメンナサイ、神様。

美月は悪い子です。

だからどうか…罰を与えて下さい。

うぅん、この出来事自体が罰なのかもしれない。

最低な美月は、やっぱり最低なことしか出来ないのです。





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