Little Love







ねぇ、惟月…

きっとこのときから、歯車は周り始めたの。

あなたを愛した あたしの初恋。

『初恋は叶わない』その言葉の意味を、あたしは嫌と言うほど味わうのだ。







「ほら、急げよ」

「うんっ」


用意していたコートを着て、マフラーを巻く。


「寒いなぁ…」

「うん…寒いね」


はぁ…と息を吐けば、白い息が出る。

それが面白くって、何回もした。


「美月〜手、寒いんだけど」

「??手袋してるのに?」

「寒いもんは寒いんだ、よッ」



< 59 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop