Little Love
「悪いけど、美月には要ちゃんがいるから。
じゃ、ばいばい」
「ふぇ…え、え??」
強引に腕を引っ張られて、引きずられながら歩く。
「あ…またね、叉牙くん!」
「ん…ばいばい」
また少し、腕を掴む力が強くなった気がした。
「惟月っ、どうしたの??」
「…あいつがあんなこと言うから…」
「へ??」
掴んでいた手を離して振り返った惟月の顔は、真っ赤だった。
「妬いたんだよ!…っ」
「―――ッ!」
や、やきもち?惟月が??
「俺さ、中学は卒業したけど…美月は卒業出来ないみたい」
「…、卒業しなくっていいもん!」
はにかんだように笑う惟月を、守ろうと思った。
兄妹でも…赤い糸は、繋がっているよね?
信じていいよね…ね、惟月…?