不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「ハハハ…フフフ…」
「……」
3人が笑ってるが…
彼女のその笑い顔を見ると
ドキッ!
胸の奥で激しく音がする。
な、何なんだよ、これ。
「でも涼、本当に凛ちゃんを知らない の?」
お袋が聞いてくる。
「えっ?」
「凛ちゃんは生徒会副会長よ。 ねぇ?」
へっ?
「志織さん、副会長はあまり表には出ませんから。生徒会以外では知らない人も多いです」
生徒会…
副会長…
の、水島凛
「えっぇぇぇぇ」
「お兄ちゃん、煩い」
「涼、失礼でしょ」
お袋と陽菜に文句を言われた。
彼女はキョトンと俺を見ている。
あっ、何だか俺…恥ずい。
「重ね重ねすみません。水島先輩ってテニス部のエースで男子からも女子からも憧れられているつうか、ファンが多いんですよね 」
そうなんだ。
水島凜…
背が高くショートカットで大きな瞳が印象的な、お袋や陽菜とは真逆のキリッとしたアスリート美人。
テニス部のエースで秀才で…
男子だけでなく女子にも圧倒的人気がある。
生徒会副会長だから式とかで見てるはずなんだが(如何に俺が不真面目かというのがバレる) 目の前にいる先輩は大きな瞳がキラキラしていて女に興味のない 俺から見ても魅力的だ。
って…
俺のこの言葉に先輩は真っ赤になった。
「藤倉君、そんなの嘘だから」
「えっ?」
「凛ちゃん、ごめんなさいね」
お袋が謝ってる。
へっ?
「凛ちゃん、ごめんね。お兄ちゃんはホントにデリカシーがないんだから」
陽菜も何か焦ったように。