不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「涼君」
「あっ!すみません」
「ううん、ありがとうね」
「えっ?」
キキキィー
涼君が自転車を急停車させて
「先輩?」
私も自転車を止め
「そんな風に言ってもらえるのって本当に嬉しいよ」
「……」
「あ、あのさ」
「はい?」
「まだ…付き合うとか、こ、恋人とかは考えられないけど」
「……」
「涼君のことを知りたいと思う」
「えっ?」
「涼君にも…私を知って欲しいと思う」
「先輩」
「本当の私を」
そう、本当の『水島凛』を。
「先輩…どうかしたんですか?」
涼君が心配そうに私を
「あ、ううん。何でもないよ。私を知ってもらったうえでまだ『 好き』っ て言ってもらえるかは分かんないけど」
「…俺は千葉先輩や片桐先輩といる先輩も知ってます」
「ハハハ…確かに」
でも…
「先輩?」
「あ、ごめん。行こうか?」
「はい」